12日、労働者党(PT)にとって最大の協力党となっていた進歩党(PP)がジウマ政権からの離脱を宣言した。3月29日に起きた、下院最大勢力の民主運動党(PMDB)の連立離脱につぐショックで、17日に行われる下院でのジウマ大統領の罷免投票が危うくなってきた。13日付伯字紙が報じている。
PPのシロ・ノゲイラ党首は6日に、「下院での罷免投票が行われるまでは連立与党に残る」と宣言していた。同党首の説明では、同党内ではジウマ支持が過半数とのことだった。
だが、それ以前から、PP党員に罷免支持が多いことは報じられており、先週末からは同党の支部レベルで罷免支持の声も改めてあがりはじめていた。
また、同党の重鎮のパウロ・マルフ氏が、「ジウマ氏が大臣職を道具に駆け引きを行った」と憤慨し、自身が委員を務めるジウマ氏罷免の特別委員会で罷免賛成に票を投じ、その結果、PPの委員の投票が賛成3反対2となり、賛成票が上回ったことも大きかった。
12日、PPの下議たちは改めてジウマ氏についての立場を問う投票を行ったが、その結果は、罷免賛成31票、反対13票、欠席3票で、罷免賛成が大きく上回った。
この結果を受け、ノゲイラ党首は12日夜、連立離脱を宣言。それに先立ち、国家統合相など、政府での役職を担っている党関係者に、辞表を提出するよう指示した。
また、3月中に連立離脱を発表していたブラジル共和党(PRB)は、ルーラ前大統領が復縁に乗り出すという説が流れていたものの、12日に改めて、下議22人の投票を全て罷免賛成にすることを発表した。
PPやPRBの発表を受けた連邦政府側は、この余波が、残る連立与党での大型党である共和党(PR)や社会民主党(PSD)にまで及ぶことを危惧している。これらの党は前者が40人、後者も36人の下議を抱えているが、現状では罷免賛成が多いと言われており、この流れに続く可能性もある。
罷免阻止のためにはPP、PR、PSD、PRBの説得は不可欠と言われていただけに、これが出来なかったのは連邦政府にとっては痛い。
政府側に残された手としては、PMDBやPP、PRに少なからずいる親ジウマ派の下議を出来るだけ集結させること、また、現在大臣職に就き、下議休職だった人に一時的に下議に戻ってもらって投票させることだが、野党側も地方自治体の公職についていた下議に同じことをさせており、効果は薄い。
エスタード紙はもう既に、上議を対象としてジウマ大統領罷免に関するアンケートをとりはじめているが、既に42人が罷免に賛成(54人で罷免成立)だという。
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