【既報関連】国際通貨基金(IMF)が12日に発表した世界経済見通しによると、今年のブラジルの国内総生産(GDP)の成長率は前年比マイナス3・8%で、1月発表のマイナス3・5%より下方修正されたと12日付各紙サイトや13日付伯字紙が報じた。
GDP成長率がマイナス3・8%との予想は世界でも悪い方から6番目で、ブラジル以上に経済が縮小すると予想されているのは、ベネズエラ8%、南スーダン7・8%、赤道ギニア7・4%、マカオ7・2%、エクアドル4・5%の5カ国のみ。
いずれの数字も、全世界が3・2%、ラ米・カリブ地区も0・5%成長との予想を大幅に下回っている。
世界全体で最も成長すると見られているのは、ミャンマーの8・6%やコートジボワールの8・5%など。ラ米・カリブ地区の成長株はペルーの3・7%やメキシコの2・4%だ。中東やアフリカ北部、アフガニスタン、パキスタンも3・1%の成長が予想されている。
新興国は今年もインドや中国が牽引すると見られているが、中国の成長率はここ数年の6・5%を下回る6%~6・2%に止まると見られている。新興国全体は4・1%の成長と見込まれているが、ロシアとブラジルはマイナス1・8%と3・8%で景気回復の遅れが指摘されている。
IMFはブラジルの16年の成長予想を下方修正した理由は、「景気後退は予想以上に深刻で、失業率上昇や所得減少なども起きている」事と説明、17年もブラジルの成長率はゼロ%との見解を明らかにした。17年の成長予想ゼロ%は悪い方から9番目となっている。
IMFは更に、ブラジル政府は投資家の信頼を回復するために財政再建に努めるべきだと強調。短期的には予算カットや税制措置も必要だが、最大の課題は、歳出を厳しく吟味し、収支バランスを立て直す事だと指摘した。