「史上最高のF1レーサーは誰か?」。こういう質問はF1に限らず、あらゆるスポーツで出てくる。もちろん、活躍した時代の違う選手を数字上の通算成績だけで比べることはできない訳で、比べること自体おかしいのだが、「もし、この両選手が同じ時代に戦っていたら」という夢は誰しもが持つものだ。
このたび、「史上最高のF1レーサー」のリストを出したのは、イギリスのシェフィールド大学のアンドリュー・ベル教授の研究室だ。これは、これまでのF1の通算成績によるものではなく、使っていた車のテクノロジーや、所属チームの強さによるハンデなどをすべて平等にし、単純にレーサーとしての実力で見たら誰が上位に来るかを割り出したものだ。
その結果、上位10人は次のようになった。
1位フアン・マヌエル・ファンジオ(アルゼンチン)、2位アラン・プロスト(フランス)、3位フェルナンド・アロンソ(スペイン)、4位ジム・クラーク(スコットランド)、5位アイルトン・セナ(ブラジル)、6位ジャッキー・スチュワート(イングランド)、7位ネルソン・ピケ(ブラジル)、8位エメルソン・フィッチパルディ(ブラジル)、9位ミヒャエル・シューマッハー(ドイツ)、10位セバスチャン・ヴェッテル(ドイツ)。
1位に選ばれたファンジオは、1950年代にアルゼンチンが生んだ伝説のレーサーだ。同じく南米勢のブラジルは5位にセナ、7位にピケ、8位にフィッチパルディと、上位10位に3人が入るという、国別で見たらトップの好成績をあげている。
だが、このニュースを読んだブラジル人読者の反応は良くない。「なぜセナが1位じゃないんだ」というのがもっとも目立ったが、「(現役の)アロンソごときがピケより上なんて」「(セナの現役時のライバルだった)プロストが2位でセナが5位なんて」などの声も多かった。
また、ブラジル人以外でも、通算記録では圧倒的な数字を誇ったシューマッハーが9位に甘んじたのは、ブラジルのF1ファンでも納得がいかないという意見が多く、さらにフィッチパルディと同じ70年代の名レーサーのニキ・ラウダ(オーストリア)の10位圏外を不審がる声も聞かれた。(14日付エスタード紙サイトより)