アルゼンチンのクリスチーナ前大統領が13日、ドル売り疑惑でブエノスアイレスの法廷に出頭したが、書類を提出したのみで黙秘を通した。
14日付伯字紙によると、クリスチーナ氏は大統領の任期終了前の数カ月間、中央銀行を介し、市場価格よりはるかに安く先物のドルを売った疑いを持たれている。
専門家は、これにより770億ペソ(190億レアル)の損害を受けると見ているが、同氏は書面で、ドル売りによる損失は「マウリシオ・マクリ大統領の過ちであり、現政権が招いたペソ安のせいだ」とした。
クリスチーナ氏は、同国の政治主流だったペロニスタ系後継者のダニエル・シオリ氏を擁して大統領選に臨んだが、保守系のマクリ氏に決選投票で逆転され、敗れた。
クリスチーナ氏は閉廷後、退任後初のマスコミ取材に応じ、1時間以上かけて現政権を批判。先日内容が公表されたパナマ・ペーパーの中でオフショアの存在が発覚したマクリ氏を皮肉り、「私のオフショアか何かが出てくると思っていたのでしょう」と語った上、「何回召喚されても何も話さない」と強調した。
法廷周辺には熱烈なクリスチーナ支持派が殺到し、その中の1人がクリスチーナ氏と対立していたメディア・グループ、クラリンのカメラマンを襲う事態も発生した。
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