サンパウロ市東部モッカ区アルノ大通りに工場を構え、創業70年の電気製品メーカー、アルノが、移転という名の〃リストラ〃を実施中と14日付エスタード紙が報じた。
同社では、サンパウロ市工場を今年の11月から来年の10月にかけて段階的に閉鎖し、直接、非直接の雇用者2千人を解雇、リオ州イタチアイア市に工場を開設する意向だ。
同社は「サンパウロ市中央の市街地で、物流戦略上も有利といえない場所に、工場を保持する事は現実的ではない」との声明を発表。従業員にも工場閉鎖を告げ、5年以上勤続した従業員には最低賃金の半分を払うと約束した。
だが、サンパウロ市金属加工業労働者組合のミゲル・トーレス会長は「物流戦略上の理由というのは嘘だろう。サンパウロ州知事、サンパウロ市長を交えた会合を要求する。2千人もの雇用が減る事は受け入れられない」と語った。組合側は会社側の申し出を拒否し、今月末までに新しい提案をするよう求めた上、「回答が得られなければ5月2日よりストライキに入る」という。
中国製品に駆逐される前は、小型電気製品の代名詞だったアルノ社は、1997年にフランスに本社を置くSEBグループに買収された。
モッカ区以外の同社工場は、サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市、ペルナンブッコ州ジャボアトン・ドス・グアララペス市にある。同社は調理器具のROCHEDO、圧力鍋のCLOCK、湯沸かし器のTEFAL、エスプレッソマシン、ジューサーのKRUPSなどの銘柄の持ち主だ。