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大耳小耳

 短歌誌『椰子樹』368号が3月に発行された。戦中の日の思い出を詠んだ<愛国行進歌えば吾が身日本に在る思いして若き血が燃ゆ>(藤田朝壽)、「私の選んだ十首」コーナーには昨年1年間のお薦め秀作がズラリ。<夏草に機関車錆びて置きざりにかつては移民を運びしことも>(367号、住谷久、多田邦治選)、<「ボケたかも」と自虐に込めて洩らすとき頷き返す真面目な顔が>(366号、水野昌之、高橋暎子選)、<若き日に吾したしみし古き本詫びつつ縛ればすすり泣きおり>(川上淳子)など。