ブラジル情報庁(Abin)は14日、イスラム国(IS)の構成員がブラジルを攻撃目標とするとした内容のツイートを投稿した事を確認して以来、ブラジルに潜伏中のIS構成員と思われる人物の監視を強化してきた発表したと15日付伯字各紙が報じた。
「ブラジルよ、次のターゲットはお前だ」とのツイートは、パリの同時多発テロ直後の15年11月17日、13年にシリアでISとなったフランス人のマキシム・オーシャーと思しき人物のアカウントから投稿された。現在そのアカウントは閉鎖されている。
12~14日にリオ市で開かれた「治安と企業の国際見本市」に姿を見せたルイス・アルベルト・サラベリーAbin対テロ対策本部長は、リオ五輪へのテロの脅威について語った際、「オーシャーはISの〃宣伝ボーイ〃のようなもの」との見方を示した。
同本部長は、各国諜報機関と連携して行っている情報交換や構成員のトレーニングなどのテロ防止策を列挙した。
しかし、同本部長は、ISに忠誠を誓い〃聖戦〃の名の下に蜂起する覚悟のあるブラジル人が増えていることも認め、「一旦忠誠を誓えば、ISの名の下にいかなるテロ行為も行う覚悟ができてしまう。しかも、テロ行為実行への指示はインターネットでくる可能性がある」という。
同本部長は、「近年他国でテロ攻撃が頻発している事と、ISの教義に傾倒するブラジル人が増えている事から、ブラジルがテロ攻撃の標的になる可能性はここ数カ月間でより高くなった」との見解も示したが、それ以上の詳細や計量的なデータは明らかにされていない。
国防問題の専門家であるエクトル・ルイス・サンピエーリ氏は、「テロは目立てば目立つほど、犯人の目的が達せられた事になる。五輪は言うまでもない。自爆テロで死んでも、ISにとっても価値ある犠牲だったということになる」と語り、Abinの懸念、またそれに伴ってとっている予防策は適切だとした。
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