17日夜、連邦下院がジウマ大統領の罷免審議継続を決めたことで、罷免後の大統領就任が濃厚なテーメル現副大統領。国家財政健全化のためにどれほどの時間が彼に残されているか、経済学者たちが算段を始めていると18日付フォーリャ紙電子版が報じた。
国家財政専門家のマンスエト・アルメイダ氏は、「市場はテーメル新政権に対し、4~5カ月の〃ハネムーン期間〃を与えるだろう。その間に政治基盤を固め、財政構造改革の見通しを国民、市場に示さなくてはいけない」と語った。
支出に上限を定める事と増税をする事が、今年も国内総生産(GDP)2%の赤字が見込まれている国庫の収支を改善させるための方策だと経済学者達は見ている。
投資コンサルタント会社を経営する、元財務大臣のマイルソン・ノブレガ氏は「テーメル政権が誕生すれば、すくなくとも雰囲気は良くなるだろう。しかし経済の根本的な問題を解決するための道のりは遠い。国が抱える構造的な問題を解決するためには、多くの異なった思惑を持った〃抵抗勢力〃との戦いが待っている」と述べた。
同氏は「社会保障の見直し」を例に上げ、「財政負担となっている社会保障費を見直そうとしても、これは罷免に賛成した議員たちからも強烈な反発が予想される。2年余りの任期で、この勢力を突き崩すことはほぼ不可能だ」と続けた。
「噂で吊り上げ、事が起きれば店じまい」の相場の格言にあるように、歴史的なジウマ大統領罷免請求の下院通過の翌18日、レアルの対ドル為替相場はドル高レアル安で幕を開けた。
ドルは一旦値下がりしたものの、中銀のドル買い介入発表と、サンパウロ市株式市場の取引開始と共に、一転、始値を上回り、開始前の1ドル=3・524レから、1・3%ドル高の(3・5701をつけている。18日15時半現在)ジウマ大統領罷免ムードが高まるほどに、ドル安レアル高が進んだ先週までの傾向とは反対の動きだ。
15時半現在のサンパウロ市株式指数(Ibovespa)は、先週金曜の終値5万3227ポイントから0・6%マイナスの5万2858・74ポイントとなっている。