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国道での事故死者が減少=燃料値上げや景気後退も一因

 国道警察の統計によると、15年に国道で起きた事故による死者は6868人で、8234人だった14年より17%減利、7053人だった07年をも下回ったと16日付フォーリャ紙が報じた。
 14~15年の交通事故の死者減少率が例年にないものである事は、13~14年の死者減少率が2%だった事からも明らかだ。また、04年から14年にかけての車の走行量は120%、事故による死者は34%も増えていた事を考えると、15年の減少率は異例ともいえる。
 専門家は、死亡事故が劇的に減少した理由として、エアバッグなどの安全装置装備が義務付けられた事や、高速道路の運営権が民間に移譲され、改善工事が進められている事などが死亡事故を未然に防いだ可能性を挙げている。
 だが、こういった要因の他にも見逃せないのが、サンパウロ総合大学(USP)のセルジオ・エジュゼンベルグ教授のいう経済危機の影響だ。
 同教授によると、燃料価格の値上がりのため、車で移動する人の数は目に見えて減っているという。15年の燃料の販売量が前年比1・9%減った事もこの事を裏付けている。燃料販売の減少は13年以来の事だった。
 また、トラックの場合は、工業界の経済活動が縮小している事を反映して、一般車両以上に走行数が減っている。この事は高速道路の通行料の徴収額の減少からも明らかだという。
 なお、事故の数は、10年の18万3400件がピークで、14年は16万9200件、15年は12万2100件。15年は14年比28%減を記録している。
 また、市内の走行速度を落としたサンパウロ市の場合、14年までの増加傾向が一転、15年11~11月は前年同期比35%減少を記録している。