ブラジル熊本県文化交流協会の田呂丸哲次会長らは19日朝来社し、「熊本県とは活発に交流を行なっており、大変お世話になっている。今こそ恩返ししたい」と真剣な表情で話した。清原健児副会長、赤木数成書記、日下野良武理事長らと共に来社した。
熊本地震発生二日後の16日午後、同県人会では臨時理事会を緊急招集し、義援金募集運動を決定した。「熊本の皆さんを元気づけたい。日系社会の皆様、日本と関係のある方、ぜひ協力をお願いします」と支援を呼びかけた。
臨時理事会には20人が参加し、義援金募集運動を決定し、現在、専用の銀行口座の開設を交渉中。義援金は同県人会事務所(Rua Guimaraes Passos, 142, Vila Mariana)に直接持参も可。寄付者の名前は同県に報告するが、銀行振込の場合はレシーボ送付が必要。
清原副会長によれば、日系社会からも熊本県を気遣う声は多く、遠くはベレンやポルト・アレグレから同県人会に電話で問い合わせが来たという。
赤木書記によると、県庁にメールを送っても返信がなく、フェイスブックを通じて連絡をとったという。また同県の知人に連絡をとったが、「生存を確認するために電話をかけた場合、携帯は通じるが、固定電話はつながらない人が多い。おそらく皆、避難所で待機しているのでは」と心配そうに語った。
本紙の取材に対し、プロミッソン在住の安永和教さん(69、三世)によると、熊本県玉名市の親戚は飲料水などが不足しているだけでなく、「家は無事だったけど、いつ再び地震が来るか分からないから、高齢者も車の中で寝ている状態」だという。
今回の地震では、熊本県益城町で現地時間の14日午後9時26分頃、震度7の強い揺れがあった。その後も16日未明に震度6強を観測、多数の家屋倒壊が見られ、一連の地震による死者は47人以上、県内の避難者数は10万人前後で推移している。
問い合わせは同県人会事務局(11・5084・1338)まで。
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19日付のNHKニュース電子版によると、今回の熊本地震を受けて、米国カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で18日、39の県人会から成る南加県人会協議会が緊急会合で義援金の送付を決定した。今後、他の日系団体にも呼びかけて義援金を募り、被災地に送るという。なお11年3月の東日本大震災時には、18万米ドルを送っている。ブラジルの熊本県人会も義援金の募集運動を開始した。米国にならって、当地でも日系コロニア全体で協力し、被災地支援の〃輪〃を広げていっても良いのでは。