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強い乾燥により、塵に包まれる聖市 (Rafael Neddermeyer / Fotos Publicas)

サンパウロ市=残暑続きで大気汚染広がる=地球気温も過去最高更新中

 18日朝、サンパウロ市の上空に、最近の暑さと乾燥した空気によって生じた、汚染した大気の層が見られたと19日付フォーリャ紙が報じた。
 環境浄化技術公社(Cetesb)によると、16日(土)のサンパウロ市西部サンパウロ総合大学(USP)内の観測点の大気には、1立方メートル当たり130マイクログラムのオゾンが含まれており、「非常に悪い」状態だった。
 USP大気汚染研究所の調査員マリアナ・ヴェラス氏によると、オゾンは気道や肺にダメージを与えるという。サンパウロ市でここ数日続く、4月としては73年ぶりの暑さも大気中のオゾン増大に寄与している。
 「オゾンは車から出る排気ガスや日光などの諸要因が重なって発生するため、通常は車の走行量が多い週日の午後は汚染度が高くなる」とヴェラス氏は語った。同氏は、汚染の激しくなる日中は運動を避けるよう、勧めている。
 オゾンに次ぐ大気汚染物質はミクロ微粒子で、上空を覆う黒っぽい雲のような層はこの微粒子が原因だ。気道の違和感から肺がんまで、様々な症状を引き起こす。
 「ディーゼルエンジン車などから排出されるミクロ微粒子は発がん性もあり、酷くなると肺がんも引き起こす。最も苦しむのは高齢者、子供、呼吸器系疾患や心臓疾患を持っている人たちだ」と同氏は続けた。
 米国海洋大気庁(NOAA)は19日、先月は1880年の観測開始以来、最も暑い3月だったと発表。これで、11カ月連続の月間気温最高記録更新となった。
 3月の世界全体の大気温の平均は、20世紀の平均の12・7度を1・22度上回った。
 3月の大気温が特に高かったのは、ブラジル東部、アフリカの中部と東部、東南アジア、豪州の北部と東部だったという。