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伯キリンがリオ州工場売却=国内ビジネス再建に向け

 エスタード・デ・サンパウロ紙9日付によれば、日系大手ブラジル・キリン社は、アンベブ社にリオデジャネイロ州にあるビール・清涼飲料水工場を売却した。リオ州の大都市区域にあるカショエイラ・デ・マカウ市に位置する同社工場は、現在、ビール・清涼飲料水のほか、ソフトドリンクやミネラルウォーターの製造・充填を担っている。

 売却額は公開されていないが、市場関係筋によれば、飲料製造工場をゼロベースで建設した場合、約4・5億レアルの出費となり、条件や生産能力にもよるが、既に操業している工場の買収は、少なくともその半額で収まるという。
 本件はまだ経済保護管理員会(CADE)の承認待ち。同2社から独占禁止機関へ送付された公式文書によれば、今回の売買はキリン・ブラジル社の生産能力規模の見直しに基づいて行われたものであるとしている。北東伯で浸透している一方で、同社のリオ州でのシェアーは低い。
 一方で、アンベブ社側側には、ビール、清涼飲料水やノンアルコール・非炭酸飲料市場における生産能力の拡大化、最適化や配置という希求に合致しており、この時期に生産能力を増大させることは重要であり、リオ州は戦略的市場でもある。
 キリンは、ブラジル大手スキンカリオール社を2011年に買収。2012にはブラジル・キリン社へ社名変更し、生産能力拡大や新商品投入による強気路線を走っていた。だが、2015年にはブラジル部門で1140億円の赤字を計上。今回の資産売却はブラジルビジネス再建に向けたものと見られる。