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ライムンド・リラ上議(Waldemir Barreto/Agencia Senado)
ライムンド・リラ上議(Waldemir Barreto/Agencia Senado)

上院=弾劾裁判開始は確実な情勢=ジウマ罷免には慎重な上議も=CEIメンバー決定=主導権はここでもPMDB

 【既報関連】フォーリャ紙が行ったアンケートによると、上院では現在、ジウマ大統領を180日間の休職とさせ、正式な弾劾裁判にかけるために必要な過半数の賛成は確実な情勢だが、ジウマ大統領を罷免するのに必要な3分の2の賛成には達していない事が分かった。25日付フォーリャ(F)紙が報じた。

 総勢81人の上議中、50人が罷免審議継続に賛成票を投じる(この時点でジウマ大統領は180日間休職となる)とF紙の調査に答え、下院からの要請を受け入れるために必要な票数41票を既に9票上回っている(エスタード紙の調査では48人が賛成)。
 「3月17日に下院で行われた、上院での罷免手続き継続の是非を問う採決に、367票の賛成票が集った事は重い意味を持つが、ジウマ大統領の財政責任法違反が罷免に値するほどの犯罪行為かどうかは、十分に分析する余地がある」と語るのはクリストヴァン・ブアルケ上議(社会民衆党・PPS)だ。
 下院からの罷免審議継続要請は25日に承認された罷免審議特別委員会(CEI)が審議し、報告官が出す受け入れか否かの意見書を承認後、5月12日に開催予定の本会議にかけられる。ここで審議継続賛成が過半数を上回れば、ジウマ大統領は180日間休職となり、テーメル副大統領が臨時でその職を務める。
 CEIはその後、罷免の是非(弾劾裁判開始の是非)を審議し、裁判開始との意見書が承認された場合は、再度、本会議で投票が行われる。この場合も過半数が賛成なら弾劾裁判開始となり、最高裁長官が審理の進行を担当する。
 この裁判が180日以内に結審しなかった場合はジウマ大統領が復職する。F紙のアンケートでジウマ大統領罷免に賛成と答えたのは39人のみで、今の情勢では15票足りない。弾劾裁判開始には賛成のオマール・アジズ上議(社会民主党・PSD)も、「証拠書類をもっと精査しなくてはいけない。現時点での明言は尚早だ」と最終的な判断を避けた。
 ジウマ陣営は弾劾裁判開始には20票、ジウマ大統領罷免には21票の反対票を確保している。1票の差は病気療養中の議員のもので、欠席は反対と同じ扱いとなる。
 CEIのメンバーは正規の委員21人、補欠21人で、25日午後の臨時本会議で承認された。CEIの委員は、全上議の所属政党を政策の傾向別に6ブロックに分け、各ブロック別の議席の割合に応じた定員に沿って選出された。21人中、ジウマ陣営には5人しか割り当てがない。
 最大会派のPMDBには委員長を選出する権利があり、ライムンド・リラ上議がその職に就く予定だ。リラ上議は反大統領陣営の立場を明言しているが、委員長として中立の立場をとり、ジウマ陣営にも弁護の余地を与える事を明言した。