連邦検察庁が、ペトロブラス(PB)を巡る汚職へのルーラ前大統領の関与は明白で、犯罪組織形成や資金洗浄で起訴する証拠も揃ったとの見解に達したと24日付エスタード紙が報じた。
ルーラ氏はサンパウロ州検察局と連邦検察庁、連邦直轄区検察局など複数機関の捜査対象で、グアルジャ市の三層高級住宅を巡る疑惑でサンパウロ州検察局から起訴されたが、サンパウロ州地裁はラヴァ・ジャット作戦(LJ)を管轄するクリチバ地裁のセルジオ・モロ判事に同件を委ねた。
一方、クリチバの連邦検察は、サンパウロ州アチバイアにある別荘はルーラ氏のもので、購入資金や改修費支払などでPB絡みの賄賂を受け取ったと見て捜査を進めていた。
ところが、サンパウロ州地裁が三層住宅の件での逮捕をモロ判事に委ねたのを嫌うルーラ氏や側近達が、同氏を官房長官に就任させるべく画策。ジウマ大統領が3月16日に指名、翌日就任という異例の速さで事が運んだが、就任当日から18日のジウマル・メンデス最高裁判事による就任差し止めの暫定令まで、計四つの暫定令が出て、ルーラ氏の就任は未だ無効だ。
だが、官房長官指名後に公表された電話の盗聴記録に大統領や閣僚との対話も含まれていた事もあり、最高裁がルーラ氏に関する件は当面、最高裁が扱う事とした。そういう意味で、最初に最高裁に持ち込まれる捜査要請となりそうなのがアチバイアの別荘の件だ。
同別荘の名義人は、ルーラ氏の友人でカンピーナス市元市長のジャコ・ビタル氏の息子でルーラ氏の息子の会社の共同経営者のフェルナンド・ビタル氏と、別会社共同経営者のジョナス・スアスナ氏だ。
だが、検察はルーラ氏の自宅や荷物保管所の捜索時に得た書類や、購入契約を同氏の弁護士のロベルト・テイシェイラ氏が扱った事、改修工事の責任者はルーラ氏の友人で牧畜企業家のジョゼ・カルロス・ブンライ氏が派遣した設計士、改修費はオデブレヒト社負担、電化製品や台所用家具類計18万レは建設会社のOASが払った事などから、真の所有者はルーラ氏と結論付けられるという。前大統領は退任後、荷物の一部をアチバイアに運ばせてもいる。
ルーラ氏の弁護士らは最高裁に控訴する意向だが、オデブレヒトやOASが国外での事業契約や社会経済開発銀行(BNDES)からの融資を獲得できたのは前大統領の口利き故で、ルーラ氏への講演会費は賄賂だったとの疑惑捜査や、グアルジャの三層住宅の件に関する捜査も継続中だ。
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