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化粧品戦争=転落元王者N社の反転攻勢=実店舗展開に乗り出す

 訪問販売に特化したスタイルで、ブラジルの化粧品業界で永らくトップの座を維持してきたナツーラ(N)社が、近年はライバル会社に押されぎみで、利益率も落ちていることで、これまでの方針を転換して実店舗営業に乗りだすと25日付エスタード紙が報じた。
 N社最初の実店舗は、27日にサンパウロ市西部のモルンビー・ショッピングセンター内に開業する。N社は今後も店舗の展開、さらにはフランチャイズ経営にも乗り出す構えだ。しかしながら、N社の実店舗出店は遅きに失したと見ている経済分析員もいる。
 2010年には競合相手のボチカリオ(B)社の6・9%に対し、2倍以上の14・9%のシェアを誇っていたN社は、現在、B社の10・9%に対して11・1%と肉薄されている。
 12年にピークを迎えたN社の純利益は8億7400万レアルから、15年には41・2%ダウンの5億1400万レアルにまで落ち込んだ。
 14年8月以来、N社社長を務めるロベルト・リマ氏は、「成功し、一時代を築いた企業には、必ず再構築を求められる時期が来るものだ。N社は今まさにその時期にいる」と語る。
 リマ氏は、就任以来、実店舗展開のプロジェクト推進に傾注してきた。現時点でのN社の店舗展開は27日の1号店のほかは4店舗分の計画しかないが、リマ氏は「N社は100店舗単位の中期的ヴィジョンを持って、ブラジルのみならず、ラ米諸国に展開の予定である」と発言した。リマ氏は、N社のモットーは「大きな視野を持ち、目の前の仕事に集中、展開を早く」だとした。
 しかし、市場の目は厳しく、小売業分析に定評があり、経済コンサルタント会社ヴァレーゼの創設者でもあるアルベルト・セレンチーノ氏は「リマ氏が社長に就任する何年も前から、N社は実店舗展開を画策してきた。N社の動きは未だ緩慢だ」と見ている。