【既報関連】保健省が25日、今年のA型インフルエンザ(H1N1)が原因の死者数は、既に14、15年の死者数の合計を超えたと26日付エスタード紙が報じた。
1月以降、4月16日までに確認されたH1N1による死者は230人で、早くも14、15年の199人を上回った。
また、H1N1によって起こる重症急性呼吸器症候群(SARS)発症も増えている。今年は既に1365件で、14、15年の合計606件の2倍以上にあたる。
死亡件数でもSARSの件数でも、サンパウロ州は他の州を大きく引き離している。SARSは883件でブラジル全体の64・6%を占め、死亡件数は119件でブラジル全体の51・7%を占める。
また、サンパウロ州内でもサンパウロ市が、死亡件数、SARSの件数で著しい増加を記録した。サンパウロ市保健局によると、12日現在のH1N1による死者は40人で、SARS発症は385件だった。地区別の死者は、北部25・7%、南東部24・4%、南部19%、西部16・6%、東部6・8%、中央部6%となっている。
サンパウロ市保健局はまた、20日現在、前倒しでの予防ワクチン接種の対象となる人々の63・9%にあたる、170万人が接種を済ませたという。
全国的なワクチン接種は4月30日からだが、大サンパウロ市圏では、4日からは医療関連者、11日からは高齢者、妊婦、生後半年から5歳未満の小児、18日からは慢性病患者と出産直後の女性にと、段階的に先行接種が始まっていた。
一方、H1N1の流行前からジカ熱とそれに伴う小頭症の被害が叫ばれてきた北東伯では、チクングニヤ熱の被害拡大も深刻だ。ペルナンブッコ州では今年、虫が媒介するウイルスが原因と見られる死者が191人を数え、昨年同期の23人の8倍を超えた。63%は症状からチクングニヤ熱感染が疑われ、12人は感染が確認された。デング熱感染が確認された死者は1人だけだった。