オーリャ子の故郷は熊本で、被災した故郷の様子がどんどん入ってくる。中でも、同級生が数年前に新築したばかりの自宅が、今回の巨大地震で傾いてしまったと聞いたときは、本当に驚いた。日本で家を建てることは、男子一生の大事業だ。彼は今、放心状態に陥っているという。
震災が厄介なのは物質的被害だけでなく、精神面にも傷を負うことだ。現在の熊本県は余震の危険性もあり、人々も緊張感を持って暮らしている。しかし生活が安定して余裕を取り戻すと、それまで気づかなかった精神的な傷を感じ始めると言われている。
熊本に縁のある人は、現地の状況が落ち着いた後、ぜひ電話などで被災者の話を聞いてほしい。地震で味わった恐怖と、傷ついた心情を聞くだけでも、彼らの気持ちを少しは楽にしてあげられるはずだ。(将)