【既報関連】上院の罷免審議特別委員会(CEI)は27日、ジウマ大統領(労働者党・PT)罷免審議の証人として、法律関係者、学者の他にネルソン・バルボーザ財相、カチア・アブレウ農相を召喚することを承認したと27、28日付伯字紙サイトが報じた。
証人を招いての審議は28日に始まり、大統領罷免請求状作成者3人の内、弁護士のジャナイーナ・パスコアル氏と元法相のミゲル・レアーレ・ジュニオール氏が意見を表明した。
29日はジウマ大統領弁護側の弁論が予定されており、元法相で現国家総弁護庁(AGU)長官のジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ氏(労働者党・PT)の他、ネウソン・バルボーザ財相、カチア・アブレウ農相、ブラジル銀行の代表者が登壇する。
週明けの5月2日と3日には、連邦会計検査院(TCU)検察官のジュリオ・マルセロ・デ・オリヴェイラ氏、カルロス・ヴェローゾ元最高裁判事などが証言する。
CEIの活動は、26日にライムンド・リラ氏(民主運動党・PMDB)を委員長、アントニオ・アナスタジア氏(民主社会党・PSDB)を報告官として選出する事で開始された。
27日には財相、農相などの証人喚問が決まり、その後は、各委員が8分交代で意見表明を行った。
上院政府リーダーのウンベルト・コスタ上議(労働者党・PT)は、「ジウマ大統領は罷免されるような罪は犯していない」と大統領を擁護する一方、「クーニャ下院議長が罷免請求を受け付けたのは個人的な『復讐』によるものだ」「まだCEIで審議中なのにテーメル副大統領が組閣を始めているのはけしからん」とし、副大統領と下院議長(共にPMDB)を批判した。
クリストヴァン・ブアルケ上議(社会民衆党・PPS)は、上院での罷免審議継続に賛成だと述べ、議院内閣制ならば、今ジウマ大統領を擁護している議員さえも罷免に賛成するだろうとの見解を明らかにした。同上議は「財政責任法に抵触しているかどうかは抜きにして、ジウマ大統領本人の資質や手腕を良しとして擁護している議員はPTにだっていないじゃないか」と語った。
アナスタジア報告官は4日に、今回の罷免手続きを継続すべきか、棚上げすべきかの意見書を提出する意向で、6日にはCEIの中で意見書を承認するか否かの投票が行われる。PSDBは罷免に賛成の上、少なくとも過半数の上議が罷免審議継続に賛成のため、現状では、6日のCEIと11日の上院本会議で罷免審議継続が可決され、ジウマ大統領が180日間の停職となる事と、テーメル副大統領が臨時大統領を務める事は不可避と見られている。ただし、弾劾裁判時に罷免賛成票が3分の2に達するか否かは、まだ流動的だ。
タグ:PT PSDB PSD PMDB 写真ニュース ジウマ大統領