【既報関連】サンパウロ市議会で27日に行われる予定だった、スマートフォンで配車できる無認可の個人タクシーUberを事実上解禁する法案(条例案)の2回目の採決は、Uber解禁反対派の市議の工作などによって延期されたと28日付伯字各紙が報じた。
ジョゼ・ポリセ・ネット市議(社会民主党・PSD)によって立案された〃Uber法案〃は、既に1回目の承認を得ているが、2回目の投票は延期され、投票実施の目処は立っていない。
市議会前に集った多数のタクシー運転手達は隣接の道路を封鎖して法案承認に抗議、午後7時半ごろに投票延期が決まると、ロケット花火を市議会に向けて放った。花火は6階にいた職員に当たり、軽傷を負わせた。周辺地域ではタクシー運転手と軍警との間の衝突も起きた。
報道陣の黒塗りの車もUber車と勘違いされ、タクシー運転手達からの攻撃目標になったが、中から写真を撮り始めると退散した。
ハダジサンパウロ市長にはUberを合法化する事で、税収を上げる目的があった。採決が延期された最終法案は、営業を望む企業は認可証をオンライン決算で購入し、利用時間帯、利用距離、利用人数別によって運賃が変動する仕組みを規定すると共に、Uberの運転手が売り上げの中からUberに納める金額の上限を15%にする条文も含まれていた。これは1回目の採決の時にはなかったものだ。
Uberは現在、未認可で営業しているが、運転手は売り上げの20~25%をUberに支払っている。
今回の投票延期を受け、Uber側は採決延期とUber側の取り分が減らされる条文が加えられた事に対し、遺憾の意を表した。