日本政府は29日に2016年(平成28年)春の叙勲受章者を発表した。ブラジルからは邦人叙勲1人、外国人叙勲4人の計5人が受章。在聖総領事館、在ブラジル日本国大使館、在クリチーバ総領事館の三管内から選ばれた。
在聖総領事館管内では、佐藤風太郎さん(78)が旭日双光章を受章した。
佐藤さんは、パウルー市出身の二世。ノロエステ連合日伯文化協会副会長などを歴任し、各日系団体と連携を図り、日本語教育、スポーツ等の活動推進に貢献。 バウルー市議として日本企業工場誘致のほか、姉妹提携にある奈良県天理市の議員団公式訪問の実現など、友好親善に大きく貢献してきた。
同館内では、香山秋子さん(脇坂ジェニ、91)が瑞宝双光章を受章した。
香山さんは、両親が熊本県出身の第一回笠戸丸移民(父はサンパウロ州新報創立者の香山六郎)、本人はバウルー市出身の二世。47歳で万葉集に触れて以来、古典文学に深い関心を抱き、研究に没頭した。87年に博士号を取得し、USP日本文学講座主任教授などを務めた。日本語及び日本文化普及への功労が評価された。
その他、在クリチ―バ総領事館管内の邦人叙勲では、クリチ―バ日伯文化援護協会会長、同市議会議員を務めた山脇ジョルジさん(74)が旭日双光章を受章。去年10月の秋篠宮同妃両殿下のパラナ州御訪問時には、同州政府と記念式典を共催し、両国の友好親善に寄与した。
在聖総領事館管内では、ブラジル戸田建設株会社取締役を務めたタダノブ・サクマさん(71)が旭日単光章を受章。日伯経済関係強化への貢献によるもの。ブラジル北海道協会理事として日本への留学生の選定、支援も行った。
在ブラジル日本国大使館館内の外国人叙勲ではマリア・デ・ジェズス・メイレーレス(76)が、33年にわたる在ブラジル日本国大使館の現地職員としての功績で、瑞宝双光章を受章した。