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マルセロ・オデブレヒト被告(Cicero Rodrigues/World Economic Forum)
マルセロ・オデブレヒト被告(Cicero Rodrigues/World Economic Forum)

LJ23弾=サンターナ夫妻を告発=オデブレヒト被告も再度=PT大物に捜査の手回るか=訴状受理はモーロ判事が判断

 【既報関連】ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査班は28日、06、10、14年の大統領選で労働者党(PT)の選挙参謀を務め、2月23日のLJ第23弾で逮捕されたジョアン・サンターナ容疑者と、その妻で共同経営者のモニカ・モウラ容疑者に対する二つの起訴状を提出したと29日付伯字紙が報じた。

 一つ目の起訴状では、サンターナ夫妻と元PT中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告に加え、ペトロブラス(PB)やPB子会社で石油採掘船製造のために2010年に設立されたセッテ・ブラジルの元役員ら4人、ロビイストのズウィ・スコルニッキの8人が起訴された。
 訴状の内容は、PBとセッテ・ブラジルがシンガポールの造船企業ケッペル・フェルスとの間で結んだ契約に関連するものだ。13年9月以降、サンターナ夫妻が所有するオフショアの「シェルビル・ファイナンス」の国外口座にケッペルのロビイスト、ズウィ・スコルニッキ容疑者が450万ドルの賄賂を振り込んだとされている。
 二つ目の起訴状では、LJ第14弾ですでに実刑判決を受けた、国内最大手の建設会社オデブレヒト(O)社前社長のマルセロ・オデブレヒト被告が、ヴァカリ被告の指示の下、300万ドルをサンターナ、モニカ両被告が米国に持つ会社の口座に振り込み、さらに2350万レアルをブラジル内で現金で支払ったとされる件を扱っている。
 O社はマルセロ・オデブレヒト被告の他、6人の元幹部や社員も贈賄の罪で起訴された。O社とサンターナ夫妻との関係は、O社社員のマリア・ルシア・タヴァレス容疑者宅からLJ23弾で押収された賄賂の支払い計画・明細票などから明らかになった。同明細票はLJ第26弾で賄賂専門の部署を摘発するきっかけともなった。
 二つの起訴状では、計17人が汚職、マネーロンダリング、犯罪組織形成で告発された。
 訴状は3月には準備できていたが、LJ担当のパラナ州地裁セルジオ・モーロ判事は、サンターナ夫妻関連の案件は、06年以降に選挙参謀を務めたPTのルーラ前大統領やジウマ現大統領など、最高裁でしか裁けない人物が浮上してくる可能性があるとし、最高裁に送って判断を待っていた。しかし先週、最高裁が同案件を地裁に戻したため、モーロ判事が起訴状の受理を決めれば、17人は被告となる。
 調べに当たった検事達は、サンターナ、モウラ夫妻はPTと強固な結びつきを持っており、長期間、政権維持のための原動力的な役割を果たしていたと語っている。サンターナとモウラ容疑者の弁護団、O社はコメントを避け、ヴァカリ被告は容疑を否定している。