【マンザナー共同】米カリフォルニア州中部マンザナーの日系人収容所跡地で4月30日、強制収容後に死去した人々の追悼式典が行われた。第2次大戦中に日系人が敵性外国人として収容された場所で、参加者は「人種差別の歴史を繰り返すな」との誓いを新たにした。
山脈に囲まれ、冷たい風が吹きすさぶ跡地には収容を体験した日系人の家族ら約1200人が集まった。
祖父母や母親を亡くしたブルース・エンブリーさん(58)は、イスラム過激派によるテロ事件を受け、かつて日系人社会が直面していたような差別をイスラム社会が受けていると強調した。
「強制収容が憲法違反で人種差別だったことを米国が忘れないよう語り継がなくてはいけない。私たちが経験したことはどこでも誰にも二度と起きてはならない」と力を込めた。
シリア系米国人のジャーナリスト、メイサ・アルハッセンさんも基調講演し「米同時多発テロが起きた時、イスラム社会に真っ先に連帯を示してくれたのは日系人社会だった」と話した。
1942年に米大統領令により収容が始まり、約12万人がマンザナーなど約10カ所での生活を余儀なくされた。レーガン政権下の88年、収容された人々への謝罪と賠償を盛り込んだ法律が成立した。