【既報関連】ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官が、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)妨害容疑で最高裁にルーラ前大統領を起訴した上、ジウマ大統領や前大統領、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ国家総弁護庁(AGU)長官(全員が労働者党・PT)を含む29人に対しても、LJ妨害容疑などで捜査の許可を申請、既にある捜査対象者リストに追加する事も要請した事が3日に明らかになったと4日付伯字各紙が報じた。
ジャノー長官からの起訴と捜査要請は、デウシジオ・アマラウ上議の報奨付供述の内容に基づいている。
ルーラ前大統領は、LJ作戦で逮捕されていたネストル・セルヴェロー元ペトロブラス社(PB)国際部長が報奨付供述に応じないよう、金銭を渡そうとした容疑で起訴された。
ジャノー長官はルーラ氏をPB絡みの汚職計画「ペトトロン」の中心人物と見、「ルーラ氏抜きで、ペトロロンがこれほどまでに長期間、広範囲にわたって機能し続けることはなかった」と記した上、前大統領に関する捜査開始を要請した。
ジウマ大統領に関する捜査要請は、国内最大手の建設会社であるオデブレヒト社前社長のマルセロ・オデブレヒト被告を釈放させるため、高等裁判所の判事任命を恣意的に行ったとする供述と、パラナ連邦地裁のセルジオ・モーロ判事による逮捕回避のため、ルーラ元大統領を官房長官に任命して不逮捕特権を与えようとした容疑が理由だ。
カルドーゾ氏はジウマ氏を側面から援助したとされている。それ以外の捜査要請者には、大臣、元大臣クラスの政治家やロビイスト、闇ブローカーら計29人の名前が含まれている。主な人物は、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)、ジャッケス・ワギネル大統領府秘書室長官、リカルド・ベルゾイーニ大統領府総務室長官、エジーニョ・シウヴァ大統領府社会報道局長官、ジレス・アゼヴェード大統領付特別補佐官などだ。LJでは既に39人が捜査対象になっている。
ジャノー長官からの起訴状と捜査依頼を承認するか否かは、最高裁でLJ関連の裁判の報告官を務めるテオリ・ザヴァスキ最高裁判事が判断する。同判事が承認すればルーラ氏は被告となり、ジウマ大統領も正式に捜査対象となる。
ジャノー長官によるジウマ大統領への捜査開始請求は、上院での大統領罷免手続きの最中に出された。11日に予定されている上院本会議での投票で弾劾裁判開始が決定すると、大統領は180日の停職となるが、それでも不逮捕特権は有効なため、捜査には最高裁の許可が必要だ。
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