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大統領府に張られた抗議のポスター(Antônio Cruz/Agência Brasil)
大統領府に張られた抗議のポスター(Antônio Cruz/Agência Brasil)

罷免反対の抗議行動続発=全国各地で主要道路封鎖=副大統領所縁の農園占拠も

 上院本会議での大統領罷免審議継続か否かの投票目前の9~10日は、全国各地で罷免に反対する団体や人々による様々な形の抗議行動が起きたと10日付伯字紙や各紙サイトが報じた。
 大統領府では9日朝、ヴァウジール・マラニョン下院議長代行による4月17日の下院での投票無効化宣言前に、新しい大学や技術校の開設祝賀式典が行われ、同式典に参加した社会運動家や労働者党(PT)党員が、貴賓サロンに居座る事を決めた。社会運動家達はジウマ大統領とルーラ前大統領への支援を表明し、サロンの窓に「クーデター反対」「目覚めよブラジル」などと書いた紙や旗を張り巡らした。
 社会運動家達は大統領府総務室長らとの話し合い、一旦退去する事に同意したが、10日も再訪して、大統領と話し合う意向を表明した。

農園に掲げられたMSTの旗(MST)

農園に掲げられたMSTの旗(MST)

 一方、サンパウロ州内陸部ドゥアルチーナでは9日朝5時頃、ミシェル・テーメル副大統領所縁のエスメラウダ農園に農地占拠運動(MST)のメンバーが大挙、約1千人が居座るという事件も起きた。
 ドゥアルチーナとフェルナン、ガリア、ルシアノポリスにまたがる約1500ヘクタールの農園は、テーメル氏の名義ではないが、副大統領が政局調整のために使う場所として知られている。MSTは、大統領罷免は副大統領によるクーデターと批判する一方、全国的な農地改革も要請。同農園でのユーカリ栽培や就業形態(奴隷労働)についての告発も行った。
 これに対し、10日の抗議行動は主要道路の封鎖やデモ行進が目立つ。大サンパウロ市圏では、5月23日大通りやマルジナル・ピニェイロスのカステロ・ブランコ方面行き、マルジナル・チエテのアイルトン・セナ方面行き(タツアペ~アリカンドゥーヴァ間)、コンゴーニャス国際空港とヅットラ道を繋ぐエリオ・シュミット道などで、タイヤを燃やしたり、車を並べての通行阻止などが行われた。
 正午までに罷免反対派の抗議行動が起きたのは、連邦直轄区、サンパウロ州、南&北大河、バイア、セアラー、エスピリトサント、マラニョン、ミナス、パラー、パライバ、ペルナンブコ、ピアウイ、パラナ、リオ、ロライマ、サンタカタリーナの各州とされている。
 なお、本11日に上院本会議で大統領罷免を投票が行われる際の混乱を避けるため、ブラジリアでは9日、4月17日の下院での投票前同様、罷免賛成派と反対派を隔てる塀が再設置された。