ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 上院=大統領罷免審議は翌朝決着=55対22の賛成多数で可決=ジウマ氏の180日停職決定=弾劾裁判は最高裁長官が裁く
停職決定後に演説を行うジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)
停職決定後に演説を行うジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)

上院=大統領罷免審議は翌朝決着=55対22の賛成多数で可決=ジウマ氏の180日停職決定=弾劾裁判は最高裁長官が裁く

 【既報関連】ジウマ大統領(労働者党・PT)罷免審議継続の是非を問う上院本会議が11日午前9時に始まったが、審議が決したのは予定を大幅に過ぎた12日の午前6時半のことだった。全上議81人中、過半数の41人以上出席の上、有効投票数の過半数の賛成で審議継続とジウマ大統領の180日の停職が決まる。命運をかけたこの採決は、賛成55、反対22、欠席2(罷免で1人欠員、議長は投票せず)の賛成多数で可決された。

 投票前、各上議には最大15分ずつ演説をする機会が与えられた。この権利を行使したのは71人に上り、審議が遅れた原因となった。
 演壇には24年前に大統領職を罷免されているフェルナンド・コーロル上議(労働党・PTB)も上がり、「ジウマ大統領には何度も忠告をしたが、彼女は聞く耳を持たなかった」と述べた。
 ジウマ大統領と14年の大統領選で激しく争ったアエシオ・ネーヴィス上議(民主社会党・PSDB)がその後に壇上に上がり、「ジウマ大統領の行った不正会計が、国を混乱に陥れ、国外からの投資の喪失や失業をもたらした」と批判すると、議場からは大きな拍手が上がった。
 20時間以上に及んだ審議の結果は、同日午前11時過ぎにジウマ大統領に正式に通達された。
 ジウマ大統領は通達直後に演説を行い、「罷免の動きは欺瞞に満ちたもので、紛れもないクーデターだ」と語った。更に「自分は政策においてミスを犯したかもしれないが、罪は犯していない」とし、「ブラジルにとって最大の危険とは、選挙で国民の信任を得ていない人物が政権の座に就くことだ」として暫定大統領に昇格するテーメル副大統領を強く批判した。
 ジウマ大統領には20日以内に反証する権利がある。その後に上院の罷免審議特別委員会と本会議が各々、過半数で弾劾裁判開始を支持すれば、ジウマ氏は被告となり、弾劾裁判が開始される。
 弾劾裁判はリカルド・レヴァンドフスキ最高裁長官を裁判長として行われ、全上議81人中、3分の2の54票以上の賛成があれば、最終的に大統領弾劾が成立する。賛成がそれに達しない場合は、ジウマ大統領は職務に復帰する。
 12日付エスタード紙によると、レヴァンドフスキ長官とレナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)は10日に電話で会談し、12日以降、同長官が罷免に関する手続きの進行を取り仕切る事で合意に至ったという。同長官は自らの任期が終わる9月9日までに弾劾裁判の結審を望んでいるが、ジウマ大統領の権利を擁護するため、審理を急いで踏むべき課程を飛ばす事はしない意向だ。同日付G1サイトによると、同長官は12日午後から上院罷免特別委員会の長を務める事になっており、この時点から次期長官のカルメン・ルシア判事が最高裁長官職を代行する事になるという。