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三味線の弾語りで観客を魅了した北原さん(右)
三味線の弾語りで観客を魅了した北原さん(右)

日伯の融合文化で観客魅了=エン・ラッソスがサンパウロ市公演

 「苦労を重ねた祖先、そして、受入れてくれたブラジルへの感謝の気持ちを日伯文化を通じて伝えたい」――。そんな思いを込めて結成された若手日系グループ「エン・ラッソス」(En-Lacos=縁・絆)による第2回サンパウロ市公演が先月30日夜、東洋街のFECAP劇場で行われた。
 プロとして活躍する人材など、各分野の日系人アーティスト約40人が集い、日伯文化を融合した音楽、伝統芸能など多彩な演目が披露された。400人収容の会場は日系・非日系を問わず、多くの観客でほぼ満席となった。
 巨大な獅子舞が舞台から飛び跳ね、観客席を駆け巡ると会場がどっと沸いたり、一方で観客の心がぐっと掴まれるような場面もあった。若手の活躍も目立つ中、ベテラン琴奏者の北原民江さんは、民謡の懐かしい旋律で情緒溢れる弾き語りをポ語で歌いあげると、心酔した観客からは拍手喝采が向けられた。

会場を沸かせた若手の阿波踊り

会場を沸かせた若手の阿波踊り

 終盤には阿波踊りが披露され、扇子でブラジルと日本の国旗を形作るといった演出まであり、最後まで観客を魅了した。閉演の挨拶のため、出演者全員が登壇すると会場は総立ちに。割れんばかりの拍手が送られた。
 公演を終え水本エリアネ代表(32、四世)は「北原先生のポ語での歌が特に反響があった。日伯の出会への感謝こそが企画意図だったので、そこに賛同してもらえてよかった」と胸をなでおろした。