サンパウロ市では16日午後、寒冷前線通過に伴う突風と降雹が起き、総計177本の木が倒れた上、死傷者も出たと17日付伯字紙が報じた。
倒木による死者が出たのは同市中央のラルゴ・ダ・アコンコルジアで、女性1人が死亡した他、42歳の男性1人と2歳の女児1人が負傷した。2歳の女児は仮死状態で病院に運ばれ、生命
兆候が戻るまでに1時間以上を要し、重態だ。
同市を襲った突風は時速50キロを超えており、市中央部のお茶の水橋付近ではガラス製の設備が壊れて2人、ボア・ヴィスタ街でも屋根が壊れて2人が各々、軽傷を負った。
また、スマレー区でもパン屋が倒壊し、軽傷者が2人出た。地区の住民は人の動きがもっとある日だったら、被害はさらに大きくなっていたはずだと供述している。
倒木が最も多かったのはセー地区だが、市西部のプロフェッソール・アウフレッド・ボヴェロ大通りとドットール・アルナウド大通り周辺では半径200メートルの範囲で5本の木が倒れ、ほぼ全域が停電。高圧線が短絡を起こして火花が散る光景も見られた。
その他の地区でも、倒木が通行中や停車中の車を直撃、強風でシャッターまで壊れた上、店内がめちゃくちゃになる、屋根や窓が壊れると言った被害が報告された。
時速50キロを超える強風は、南部のコンゴーニャス空港やヴィラ・マリアナ区、北部のサンタナ区やカンポ・デ・マルテ、西部のラッパ区ならびにグアルーリョス市のクンビッカ空港などでも観測された。
サンパウロ市やその周辺に被害をもたらした寒冷前線は、同日朝、サンパウロ州とパラナ州の境で発生したものとされ、南伯の海上に発生したサイクロンから流れ込んだ風も、急激な気象の変化を促した。倒木などによる停電の被害は地区により17日まで続いたが、前線は17日にはリオ州に移動した。