サンパウロ州のピラール・ド・スール日本語学校(阿部勇吉校長)は6日、同市文協会館で母の日・父の日発表会を開催した。保護者をはじめ文協会員や卒業生ら約200人で会場が一杯となり、この日のために2週間毎日準備をしてきた生徒らが、日頃の感謝の気持ちを表現し成長した姿を見せた。
幼稚園から6年生まで8分野の発表が、約一時間半にわたり行なわれた。園児によるお遊戯「へそへそパワー」に始まり、低中学年のクラスは生き生きとした踊りや劇を披露。上級生クラスの日本の電車をテーマにしたお笑いコントは、「毎年大きい子のコントはおもしろい」と評判で、会場を笑いで包んだ。
プログラム終盤では、全生徒による合唱・合奏が披露された。日本の男性デュオグループ「吉田山田」の『母のうた』には、歌詞全体に父母への感謝の気持ちが込められており、平仮名もおぼつかない園児も含め、大きく元気な声で歌い上げた。
発表を終え、手作りのプレゼントを携えた生徒が舞台の下へ。感謝の言葉とともに母親にプレゼントを手渡すと、感激した面持ちで子どもと抱き合うなど、喜びを噛みしめた。
森みゆきさん(14)は「沢山ある学校行事の中でも、母の日・父の日発表会が一番好き。普段は反抗したりする時もあって恥ずかしいけど、この時はお母さん達に素直に感謝の気持ちを見せることができるから」と笑顔で喜んだ。
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ピラール・ド・スール日本語学校の行事は、準備に時間はかかるが、その分、全伯でも最も盛大なその種の催しだとか。合唱や合奏といった発表のほか、招待状作成や保護者へのプレゼントの他、その日の会場の掃除や準備、夕食準備に至るまで、日本語学校の生徒が総てを担っている。同校で教師を務める渡辺久洋さんは、この発表会を通じて「多くの父母に、普段見せない子供の姿や成長、日本語学校での教育の成果を感じてもらえたのでは」と手応えを感じているようだ。