当地の児童向け書籍「セッテ・パチーニョス・ナ・ラゴア」が日本語訳され『ワニと7わのアヒルのこ』(3500円)として、昨年末から日本で発売されている。ワールドライブラリー発行、集英社インターナショナル編集。
同作は、ワニのバルナベと獲物となった7兄弟のアヒルによるやり取りを描く。様々な変装によってアヒルに近づき、残された一匹が食べられたアヒルを助けるという物語。読み聞かせ絵本として、2012年に出版され英訳もされた。
翻訳を手がけた松本乃里子さんは、「原文は韻を踏む文章ばかり。その特徴を消さないように日本語でも7・5調に収めつつ、子どもに分かりやすい言葉を選んだ」と工夫を語り、「面白い方法で兄弟を救うのですが、そのあたりはユーモラスでブラジルらしい趣向の物語になっている。最後は教訓で結ばれていて、子どもの教育にも良いはず」と読みどころを紹介した。
松本さんは上智大学ポ語学科卒。翻訳業に関わりながら、80年代から日伯を行き来するようになり数年前に移住した。訳書は絵本『フリッチス ふしぎな色の旅』『やんちゃなマルキーニョ』など。
書籍の購入は各日系書店にて。一冊120レ。