ミシェル・テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)は23日、ロメロ・ジュカー企画相の辞職を発表した。トランスペトロ元総裁のセルジオ・マシャド氏との間で「ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査を食い止めるための政権交代が必要だ」と解釈される発言を交わしたことが22日付フォーリャ紙で報じられたためだ。テメル暫定政権発足後、僅か12日で、PMDBに激震が走ることとなった。24日付伯字紙が報じている。
この録音は今年3月、下院でのジウマ大統領罷免審議が本格化する前に行われたもので、会話からは、LJの捜査対象のマシャド氏が、連邦検察庁が自分の関与する件をパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事に回すことを恐れていることや、ジュカー氏の逮捕も近いと考えていることなどがうかがわれる。
ジュカー氏は会話の中でマシャド氏の近況をうかがい、政治家以外の容疑者を扱うモロ判事のことに触れた後、「これ以上血を流さないためにも政権交代が必要だ」と発言。テメル政権到来の必要性を語った。
録音公表直後、メディアや労働者党(PT)議員たちは、ジュカー氏が自身も容疑をかけられているLJの捜査を妨害するために政権交代が必要と説いたと解釈し、23日に同氏を取り囲んだ。報道陣や抗議を行うPT議員に取り囲まれたジュカー氏は「あれは経済状況の悪化を防ぐという意味だ」と弁明した。その会話ではたしかに経済状況の話もしているが、文脈上、つながらない。
ジュカー氏は23日のうちに辞職を申し出、受理された。テメル大統領代行はこの処置について「連邦検察庁の調査で事実が明確になるまで」としているが、テメル氏はかねてから、LJを妨害する発言をした大臣は更迭する方針を明言しており、復帰はかなり難しいと見られている。
ジュカー氏の離脱はテメル氏やPMDBにとっては痛いものとなった。それはジュカー氏が経済スタッフの一員であり、さらにPMDB党首という立場にあるということがまずひとつ。
また、マシャド氏はジュカー氏のみならず、レナン・カリェイロス上院議長やジョゼ・サルネイ元大統領といったPMDBの重鎮とも会話を交わしており、検察庁にその録音が渡っている。これらの内容次第では現政権のPMDB大臣に新たな火種が飛ぶ可能性があり、特にLJでの疑惑も有力なエンリケ・アウヴェス観光相が不安視されている。
ジュカー氏の録音ではその他にも、14年の大統領選候補だったアエシオ・ネーヴヴェス上議(民主社会党・PSDB)への疑惑が、明確ではないが言及されている。
ジュカー氏は24日に上議に復職したが、テメル氏やジュカー氏らが23日に議会に姿を現したときは「クーデター首謀者」などの罵詈雑言が飛んだ。また、上院内では同氏の会話の内容はデウシジオ・アマラル元上議のものより重大とする声が上がっている。
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