【既報関連】24日に上下両院合同本会議が開かれ、16時間の討議の末、25日明け方、今年度予算の黒字目標額(MF)修正法案を可決した。これにより、連邦政府は今年の会計を1705億レアルの赤字で締めくくる事が容認されたと、25日付伯字サイトが報じた。
本当に1705億レの赤字で今年の会計が締めくくられた場合、それは1997年に記録がとられ始めて以来、最悪の結果となる。採決は電子投票ではなく、賛成議員の起立、拍手多数により可決された。
停職中のジウマ大統領は赤字見通しを960億レとしていたが、本来240億レの黒字と定められていたMFは、テーメル大統領代行(民主運動党・PMDB)が各省庁予算を精査した結果、1705億レの赤字になると20日に発表していた。MF修正案が30日までに可決されないと、政府は基本支出に至るまで、凍結状態(シャット・ダウン)に陥るところだった。
24日の両院合同本会議は、ジウマ大統領が停職前に行使した拒否権の内容に関する討議から始まり、それに13時間以上を費やした。
野党となった労働者党(PT)はブラジル共産党(PCdoB)や民主労働党(PDT)と連携し、MF修正案採決を遅らせるための様々な妨害工作を行った。しかし、レナン・カリェイロス上院議長は「議事進行を逆行させる目的の動議が数多く出された場合、議長にはこれを退ける権限がある」と定めた下院の議会内規を引用し、野党側からの動議を退けた。PT側は抗議したが、同議長は今後いかなる動議も受け付けないと宣言し、妨害工作を阻止した。
審議が深夜12時を超すに至り、レナン議長はさらに、採決前の意見陳述の時間を1人20分から5分に短縮した。
野党側はこれにも激しく抗議した。ジウマ政権の下院の政府側副リーダー、シウヴィオ・コスタ下議(労働党・PTdoB)は赤字予算を批判すると共に、LJ作戦妨害疑惑の渦中のロメロ・ジュカー元企画相(PMDB、現上議)を痛烈に批判した。
同元企画相は批判に応じて、ジウマ大統領が残していった赤字見込みは間違いだらけで、それとは異なる現実的な案を出しただけだとした。
テーメル大統領代行は疲れも見せず、25日午前中に、クロアチア、ナミビア、ギリシャ、イラク、パキスタン、コンゴ各国大使からの信任状受け取りのセレモニーに出席。セレモニー後は記者団に向かって「朝の4時半まで議会進行を見ていたから少し疲れている。君たちの質問には後で答えるが、議会の結果は〃美しい勝利〃だと思う」と語った。