ブラジルではキリスト教絡みの祝日も少なくなく、5月26日も「聖体祭」の休日だった。この日は毎年、全国の至るところで、磔にされたイエス・キリストやマリア像などを描いた色とりどりのタペッテ(カーペット)が登場し、国民の目をひきつけている。
タペッテは、色々な色をつけたおがくずや花びら、砂などで構成され、聖体祭の祭りにあわせた行列が通る道や教会の前を彩る。
タペッテ作りは毎年、前日や当日の早朝から行われ、完成したタペッテは、それぞれの土地の市民がうなるほどのちょっとしたアートとなる。写真は、ブラジリアの大統領府前に作られた120メートルほどのものだ。
タペッテ作りに参加する人は場所や場合にもよるが、熱心なカトリック信者が一家総出で作業に取り組んだりする様子はほほえましい。また、学校教育の一環で生徒に作らせることも多く、若い参加者が、共同で何かを作り上げる喜びを体験できる場としても機能している。
このタペッテ作りは、カトリックのならわしだが、プロテスタントの信者達はこの日、サンパウロ市で「イエスの行進」を行うのが常だ。「イエスの行進」には国内外の信者が教派を超えて参加し、心を一つにして祈ったり、著名な牧師の説教に耳を傾けたりする他、ゴスペルシンガーらのショーを楽しむ姿も見受けられる。