マウリシオ・パエス・デ・ソウザさんは今年初めに失業し、4年前買った車の最後の支払い630レが3カ月間滞っている。子供を2人抱え、妻も失業中で、車は手放さざるを得ないようだ。
A、B1、B2、C1、C2、D/Eという社会階層(CS)は各世帯別月収で区別されるが、ソウザさんは自身のCSが下がった事を実感した。同様の事態は、過去1年だけでほぼ100万世帯に起きたと29日付エスタード紙が報じた。
CS転落世帯の増大は08年から起きている。ブラジル調査会社協会(Abep)の調べによると、15年から16年にかけて、世帯別月収4852レのB2クラスは53万3961世帯、また、2705レのC1クラスも45万6641世帯減少している。
一方、同月収1625レのC2クラスは65万3689世帯、768レのD/Eクラスも26万633世帯増大した。
世帯別月収が2万858レ以上のAクラスも10万9507世帯増えているから、この1年間で何らかの形のCS変動に巻き込まれたのは102万3829世帯となるが、その多くは転落という形の変動を経験した。
CDEクラス向けの調査コンサルタント会社、プラノCDE社執行役員のアルメイダ・プラド氏は、「近年の経済危機の影響は、B1、B2、C1のような、正規雇用職に依存していた中流クラスほど大きい。C2、D/E層は経済危機には慣れており、内職をしたりして何とか生きぬく知恵をつけている。安定した職に就いていた人はそれが失われると、別の収入源を見つけにくい」と分析している。
コンサルタント会社テンデンシアス社の共同経営者であるアドリアノ・ピトリ氏は、Abepより悲観的に現状を分析している。同社では、15年初頭から17年末までに300万世帯がCS転落を経験するだろうと分析している。