5月30日、テメル暫定政権の新ポストである汚職対策相のファビアーノ・シウヴェイラ氏が、前日にメディアが報じたトランスペトロ元総裁のセルジオ・マシャド氏の録音で、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦に対する批判や対策アドバイスにあたる発言が暴露されたことを理由に辞任した。5月23日のロメロ・ジュカー企画相(民主運動党・PMDB)に続く辞任により、同政権は発足19日で早くも2人目の閣僚を失うこととなった。5月31日付伯字紙が報じている。
シウヴェイラ氏の発言は、今年の2月、トランスペトロ元総裁のセルジオ・マシャド氏とシウヴェイラ氏が、レナン・カリェイロス上院議長(PMDB)の家で会ったときに録音された。シウヴェイラ氏は当時、法務省傘下の国家法務審議会(CNJ)の委員で、同氏を同職に推薦したのがレナン氏という間柄だ。レナン氏はマシャド氏の推薦者でもある。
この会話の中でシウヴェイラ氏は、自分にもLJで収賄容疑がかかっていることを心配するレナン氏に対し、「連邦検察庁に出そうとしている書類の中に、省いた方が良い箇所がある。何も書かなければ検察庁も調べようがないけれど、ここに書いてしまえば、検察庁はその詳細についての反論を試みることになる」など、LJ対策とも言える助言を行った。
さらに同氏は、ロドリゴ・ジャノー検察庁長官や検察庁の捜査官らを称して「彼らは自分たちのやっていることをしっかり把握していない」との批判まで行った。
さらに追い討ちをかけたのは、3月11日の録音でのレナン議長の発言だった。同議長はマシャド氏に対し、「シウヴェイラ氏はLJのことを知るために捜査スタッフと共に行動していた」と語っていた。
これらの録音の模様は5月29日のグローボ局の報道番組「ファンタスチコ」で報道されており、シウヴェイラ氏は早速、省内の職員たちから強い批判を浴びた。とりわけ、汚職対策省は国庫庁(CGU)に代わる省として期待を込めて新設されたばかりだっただけに、その上に立つ立場の人のこうした言動はダメージが大きかった。
さらに、政治腐敗撲滅を目指す国際的な非政府団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」も、シウヴェイラ氏更迭を望むと共に、「テメル大統領代行がこのような役職にふさわしいと見止められる人物を指名するまでは、ブラジルと共同で進めているプロジェクトを中止する」との声明を出した。
連邦政府側は当初、シウヴェイラ氏の更迭を否定したが、同日夜、シウヴェイラ氏が自ら辞表を提出し、受理された。シウヴェイラ氏は、混乱がこれ以上、大きくなるのを避けるための辞任だと語っているが、LJの妨害を試みようとしたことはないとしている。
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