14年のW杯で不法にチケットを販売、幹部が逮捕された英国のチケットブローカー会社THGスポーツが、五輪組織委の承認もなく五輪用VIPパックを販売して訴えられたと5月31日付フォーリャ紙が報じた。
14年6月17日、THG幹部のジェームス・シントン氏はリオ市で、W杯チケット不正販売の罪で逮捕された。同氏逮捕の知らせは、12年よりTHGとチケット販売で交渉をしていたコーザン・ルブリフィカンテス社に警鐘を鳴らした。同社は当初、W杯のチケットを大量購入する計画だったが、14年初めに16年のリオ五輪のチケットに狙いを変更していた。
五輪のチケットを大量に仕入れていたコーザン社は、シントン氏逮捕を知ると五輪組織委に問い合わせ、THGはチケット販売公式代理店に応募してきたが、選定されておらず、五輪チケット販売の権利がないことを確認した。
コーザン社はTHGが同社サイトに五輪のロゴも掲載し、リオ五輪公式代理店を装っていた事を理由に、THGの行為を違法だとして訴訟に踏み切り、損害賠償を求めている。
コーザン社は係争中のためコメントを差し控えるとしているが、THGは訴訟を起こされたにも関わらず、チケット販売を継続中で、サイトでは購入者向けの特典を紹介し「限定リオ五輪VIPチケット、お急ぎください!」と煽っている。
五輪委は同件を注視しており、五輪終了までに同様の事件が起こらないようにこれまでも種々の対策をとってきた事を明らかにした。五輪委はチケットの不正販売回避のために警察の協力を得た上で、ネット上での不正な動きを監視する会社とも契約を交わしている。