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テメル=女性暴力犯罪の対策発表=連邦政府と地方が一体で=期日や予算は公表されず

 ミシェル・テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)は5月31日、家庭内暴力や強姦など、女性に対する暴力事件防止のための国家的な計画を発表したが、実施に向けた具体的な期間や予算などの発表はなく、反発の声も出ている。1日付伯字紙が報じている。
 テメル大統領代行はこの計画を、アレッシャンドレ・デ・モラエス法相(民主社会党・PSDB)や各州の保安局長らの会合後に発表した。
 テメル政権は、リオで16歳少女が33人の男性に集団強姦されたという報道が全国をかけ巡った5月25日には何の対応も行わず、ネットなどで話題が持ちきりとなった翌日になってやっと声明を出して、対応の遅さを批判されていた。
 大統領代行は会見で「繰り返される女性への暴力を食い止めるには、実務的な動きが必要」と語り、対策案を語った。
 それによると、法務省は州や市の保安局から女性に対する暴行事件などが起きた地区名や犯罪者の情報を集め、この問題に関する情報を全国レベルで共有しあうシステムを作る。
 その上で、各州の軍警や政府が管轄する特別機動隊(国家治安部隊)に対し、非番のときに女性犯罪が多発する地帯での平服パトロールを行うことを要請、その分の給与を国から支払うことも約束した。「街頭に出る警察官の数を増やすだけではなく、種々の情報を共有するシステムを構築することで、どういう場所で犯罪が起きているかを事前に把握した上で、必要な地区に必要な人材を派遣する」とモラエス法相は語っている。
 だが、この対策を実施するための具体的な期間や予算が公表されなかったこともあり、同問題に関する識者からは「政府が金を出すだけの対策では不十分だ」との声も聞かれている。パラナ州連邦大学のメリル・アデルマン教授は「マスコミを通じ、男性優位社会を解体するためのキャンペーンを行うことが必要だ」と語っている。
 また同日、下院の本会議場では、ジウマ政権で人権相を務めたマリア・ド・ロザリオ氏ら、労働者党(PT)の女性上議や下議が中心となり、「強姦の社会文化に終止符を」とのテーマで抗議活動も行われた。
 他方、上院は、強姦事件に関し、被害者の年齢や加害者の数などに応じて決められた刑期を最大3分の2拡大し、強姦時の映像や写真の公開ならびに交換も犯罪とみなす法案を承認し、下院に送付した。同法案では従来は規定されてなかった集団強姦への処罰も明記されている。

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