日本国外を拠点にした広報文化施設「ジャパン・ハウス(仮称)」(以下JH)の第3回運営委員会が1日午後、サンパウロ市内の総領事公邸で行なわれた。在聖総領事の中前隆博委員長、文協の呉屋春美会長、ロベルト・ロドリゲス元農務大臣に加え、サッカー元日本代表監督のジーコ委員も出席し、「メンバーに選ばれて光栄。両国の文化がより緊密になれば」との意気込みを語った。
JH館長はレアルプラン時の財務大臣、ルーベンス・リクペロ氏に決定した。中前総領事は「政府要職を歴任し、外交官としての顔も持つ。日本への理解も深く、JHの顔としてブラジル社会に良い影響を与えてくれる」と選考について説明した。
来月の県連日本祭りには、日本政府のブース内にJH用スペースを構え一般向けに広報する。建物に装飾されるヒノキや和紙が展示され、実際に触ることもできるという。それらの資材は日本側で製作中。今月中に輸送される。
初参加したジーコ氏も取材に応じ、「15年間の日本在住経験があるため、日本との繋がりをとても強く感じている。構成員には様々な分野の著名人が揃っており、その一員として選ばれ誇りに思う」とコメント。「今日の会合では的確に議論できた。素晴らしいアイデアもあった」と感想を語り、「日伯はもっと交流があるべきだ。両国が協力し合いながら、JHを通じより強く繋がればと」と期待した。
今会合では「正しい姿の日本を伝える」という考え方の下、JHでは「平和」「環境」「品質と精密さ」「おもてなし精神」といった日本独自の特性を伝えることを確認。各委員や事業主の電通に向け平田アンジェラ事務局長が、開設済みのポ語フェイスブック(www.facebook.com/JapanHouseSP)などで、若年層を積極的に取り込む方針を伝えた。
また先月中旬にはロンドン、ロサンゼルスを含めた3館合同視察で訪日した。会議を終えた平田事務局長は「日本では田舎の古い家屋にも、最先端の電子機器が置いてあることが印象的だった。伝統と最新技術が共存する面白さを、JHにも取り込みたい」などと収穫を語った。
年内に工事を終え、来年3月の開設を目指す。
□関連コラム□大耳小耳
開設に向け準備が進むジャパンハウス。第3回運営委員会を終えた後の会見では、コンセプト(考え方)に関する説明ばかりで、肝心の中身に関する情報はまったく明かされなかった。まだ発表できる段階ではない、ということか。3カ月に一度行なう運営委員だが、「次の会合では企画はもっと決まっているはず」と事務局は言うが、当然だろう。結局、具体的な全体像が分かるのは9月以降になりそう…。