コカ・コーラ社が1日、ユニリーバ社傘下のAdeSを5億7500万ドルで買収すると発表した。
コカ・コーラ社の主力は炭酸飲料だが、炭酸飲料は近年売上が落ちている。ニールセン社の調査によると、15年の炭酸飲料の売上は前年比5・9%の落ち込みを記録したという。
非アルコール飲料の中で近年の景気の落ち込みの影響を最も強く受けているのが炭酸飲料で、消費者は「体に良いもの」「体に優しいもの」を選ぶ傾向も強まっている。
このような流れの中、コカ・コーラ社とコカコーラ・フェムサ社は非炭酸飲料の製造・販売を徐々に拡大している。
ブラジル国内では、2005年にSuco Mais、2006年にDel Valleを買収し、ジュースの製造・販売を手がけてきたが、今回はこれに豆乳飲料が加わる事になる。
AdeSは1988年にアルゼンチンで創業、豆乳をベースとした製品ではラ米一の企業で、15年は5620万リットル、2億8400万ドルを売り上げた。ブラジル市場には1996年に参入し、15年の売上の約半分はブラジルで得た実績だ。
2014年にコカ・コーラ社が行った調査によると、米国で炭酸飲料を好む消費者の平均年齢は56歳で、20代の人達はミネラルウオーターや天然ジュースなどの自然のものを好む事が判明したという。
同様の傾向はブラジルでも確認されており、15年の場合、炭酸飲料の販売は5%減ったのに対し、ココナツウオーターは11%伸びたという。
市場の動向に詳しい専門家は、「炭酸飲料の需要はまだまだ続くが、イタリア製のリモナーダのようなガス入りジュースといった、より健康志向のものが好まれるようになる。コカ・コーラ社が方針転換したのもそれが理由だ」と語っている。
コカ・コーラ社によるAdeS社買収は公的機関の承認待ちだが、各社の経営審議会の承認は既に得ているという。(2日付エスタード紙並びにフォーリャ紙より)
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