サンパウロ市南部で2日夜、盗難車を追跡中の軍警が車を盗んだと思われるイタロ君(10)を銃撃して殺害したと、3日付伯字サイトが報じた。
少年は二人組で、亡くなったイタロ君とは別の少年(11)は、車両盗難と銃撃の容疑で逮捕された。また、38口径の拳銃が押収された。
軍警は、2日午後7時頃、サンパウロ市ヴィラ・アンドラーデ地区を巡回中に2人が乗る盗難車を発見した。盗難車は速度を上げて追跡を逃れようとしたが制御を失い、バスに衝突した。警察は、盗難車が事故後に停車したために接近したら、発砲してきたので反撃したとしており、頭に被弾したイタロ君は死亡。後部座席にいた11歳少年にケガはなかった。
防犯カメラには、警察と盗難車との追跡劇、車が制御を失った後に停車した様子、軍警が車に近づく様子が映っている。
イタロ君が住む同市南部ピオーリョの丘の住民は、少年は武器を携帯していなかったはずだと言う。調書には、警察に反抗したために起きた殺人と記されたが、住民は「食べるものにさえ困っていたのに、どうやったら銃を手に入れられるんだ」と語っている。
逮捕された11歳の少年は死亡したイタロ君と友人で、現場から300メートルの所にあるコンドミニオに侵入したが、地下の駐車場で窓が開け放たれている車を見て計画を変更し、その車を盗んだと供述している。少年はイタロ君が発砲したことも認めたという。この少年は11歳だったため、母親に付き添われて帰宅した。少年院への最低入所年齢は12歳だ。