【リマ共同】ペルー大統領選決選投票は5日、投開票が行われる。世論調査によると、アルベルト・フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(41)が貧困層を中心に広い支持を集めてペドロ・クチンスキ元首相(77)をリード。同国初の女性大統領の誕生に期待が高まっているが、最終盤でクチンスキ氏が追い上げている。
ロイター通信などが2日伝えた二つの世論調査では、前回6~10ポイント程度だった差が3~4ポイント程度に縮まった。調査直前の5月31日に首都リマで行われた反フジモリ氏デモが影響したとみられる。
両候補とも自由主義経済を志向し、治安改善、中小企業育成などを掲げ、政策に大きな差はない。貧困層の暮らしを改善する一方で強権的政治を行い、人権侵害事件で禁錮25年の刑に服する元大統領の功罪への評価が主要な争点になっている。
フジモリ氏は2日、リマ近郊で最後の集会を開いた。小雨が降る中、支持者らは「ケイコ」の頭文字「K」の文字が書かれたオレンジ色の旗を掲げて会場の広場を埋め尽くし「ケイコ大統領、ケイコ大統領」と繰り返し叫んだ。前日にリマで大規模集会を開いたクチンスキ氏を上回る数の支持者が集まったとみられる。
フジモリ氏は、インフラ整備や教員の給与増などを訴え「皆さんの助けによってこの国で初の女性大統領になるという栄誉が得られる」と支持を呼び掛けた。「大企業に恩恵を与えている」などとクチンスキ氏を批判する一方で「豊かで、結束し(国民同士が)和解した国家をつくるために大統領になる」と述べ、フジモリ派と反フジモリ派に二分した国民の融和を図る意欲も示した。
食品の移動販売をするフリオ・メスタンサさん(38)は「元大統領はペルーで最良の大統領だった。ケイコも貧しい国民に寄り添う大統領になるだろう」と話した。
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