連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官が最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事に、レナン・カリェイロス上院議長、前企画相のロメロ・ジュカー上議、元大統領のジョゼ・サルネイ元上議、現在停職中のエドゥアルド・クーニャ下院議長の4人の逮捕を請求していたことが明らかとなった。いずれも民主運動党(PMDB)の要人で、逮捕されればテメル暫定政権にとっては痛手となる。7日付伯字紙サイトなどによると、逮捕請求は少なくとも1週間前に提出されていたという。
レナン、ジュカー、サルネイの3氏は、ペトロブラスの子会社トランスペトロの元総裁でラヴァ・ジャット作戦(LJ)被告のセルジオ・マシャド氏が3月頃録音した会話の中で、LJへの捜査妨害ととられる内容の発言を行ったことが明らかにされている。
録音の中で、レナン議長は逮捕者に報奨付供述をさせないための法変更について言及、ジウマ大統領罷免を強く呼びかけていたジュカー氏はテメル政権に交代することでLJを抑制させたい旨を語った。サルネイ氏は。最高裁のLJ担当のテオリ判事を味方につけうる司法関係者の候補の名を挙げていた。
マシャド氏がPMDBの要人の録音を立て続けに行えたのは、同氏がレナン氏の指名でトランスペトロの総裁になっていたためだ。レナン氏とジュカー氏は、マシャド氏共々、LJに関与した疑惑の政治家のリストに名前が上がっている。
仮に捜査妨害で逮捕ということになると、昨年11月のデウシジオ・アマラル元上議(当時、労働者党・PT)以来の現職上議逮捕となる。デウシジオ氏は、実際にペトロブラス元国際部長のネストル・セルヴェロー氏の長男と具体的な駆け引きをしていた時の録音が暴露されたため、現行犯扱いで逮捕され、後に上議を罷免された。
サルネイ氏が逮捕されれば史上初の大統領経験者逮捕となるが、既に86歳と高齢のため、刑務所収監ではなく、足首に発信機をつけて監視しながら自宅軟禁の形になる見込みだ。レナン氏も史上初の現職上院議長逮捕となる可能性があるが、ジャノー氏は同氏の議長解任も要請している。
クーニャ氏に対する逮捕請求は、5月に最高裁が満場一致で停職処分としたにも関わらず、いまだに下院に居座り、干渉行為を繰り返していることが理由にあげられている。クーニャ氏は既に収賄でLJの被告となっている上、逮捕請求も出たとなれば、下院倫理委員会に提出された下議罷免を求める報告書承認への圧力になりかねない。
いずれにせよ、PMDBの大物が続々と逮捕されれば、同党のテメル大統領代行には大きなダメージとなり、上院でのジウマ大統領罷免審議にも影響が及ぶことになりそうだ。
タグ:ペトロブラス PT PMDB 写真ニュース ジウマ大統領 ラヴァ・ジャット テメル大統領