ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ州内陸部=終末思わせる突風、落雷=ジャリヌでは死者も出る
風の強さを物語る飴のように曲がった鉄骨(Rovena Rosa/Agência Brasi)
風の強さを物語る飴のように曲がった鉄骨(Rovena Rosa/Agência Brasi)

サンパウロ州内陸部=終末思わせる突風、落雷=ジャリヌでは死者も出る

紙か布のように電柱に巻きついたトタン板(Rovena Rosa/Agência Brasil)

紙か布のように電柱に巻きついたトタン板(Rovena Rosa/Agência Brasil)

 【既報関連】サンパウロ州内陸部ジャリヌ市で5日夜、突風や雷が発生し、42秒間で市役所を含む建造物50軒や民家15軒が損壊、死者も出たと7日付伯字紙が報じた。
 6日付G1サイトは同市では竜巻発生と報じたが、7日付フォーリャ紙は5日未明にカンピーナスで起きたのと同じマイクロバーストと報じた。
 雷を伴う突風はトラック数台を横転させ、ホテルの屋根を引き剥がすなど、甚大な被害をもたらした。また、墓地2カ所の壁が倒壊、市役所やスタジアム、体育館などの施設も被害にあった。
 トラックで寝ていたアデジャイメ・アントゥネス・デ・モラエス氏(48)は「20秒程でガラスが割れ、バンパーが引きちぎられた。反応する間もなく車もひっくり返された」と言う。ホテルに泊まっていた同業のイタマル・エスカランテ氏(55)も、ホテルの屋根が剥がされたのに驚いて飛び出したらトラックは既に横転。風に飛ばされないようタイヤにしがみついていたという。
 集会中の福音教会も急に電気が消え、驚いた会員らが片隅に身を寄せたが、屋根がはがされ、器物が巻き上げられた。直前まで子供達がいた部屋も倒木で壊れた。「この世の終わりが来たのかと思った」との言葉は、町のあちこちで聞かれた。
 死亡したクレオニセ・デ・ソウザ氏(48)はバス停にいたが、落雷と突風で5メートル近く吹き飛ばされた上、瓦礫の下敷きとなったという。
 同市では約50人が負傷し、4人が重体。停電や断水は6日も続き、学校は休校、病院や保健所も終日機能しなかった。ヴィセンテ・カンジト・テイシェイラ市長は被害は甚大で回復には3カ月を要すとし、州政府に支援を要請した。
 ソロカバやイトゥー、サンロッケ、ヴォトランチンなどでは、突風と落雷の上、送電塔の倒壊などで停電が発生。大雨を含む自然現象は、各地に大きな爪あとを残した。