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サンパウロ市葬儀課=火葬後の灰をビニール袋に=7月より骨壷に戻すと約束

 サンパウロ市東部の市営ヴィラ・アルピーナ火葬場では骨壷が不足し、遺灰をビニール袋に入れて返していた事が判明したと9日付エスタード紙が報じた。この問題は3月から発生しており、遺族の心痛をいや増している。
 フェルナンド・マルチンス・ピゾさん(78)は、4年前から脳腫瘍で闘病していた娘のダニエラ・パウラさん(44)を亡くし、5月18日に火葬した。10日後、遺灰を教会の庭に撒くためにパウラさんの兄弟が火葬場に受け取りに行くと、遺灰をビニール袋に入れて渡され、遺族全員が大いに憤った。
 「人生でこれほどまでにおぞましく、敬意を欠いた扱いをされた事はない。家族全員が悲しみにくれている」とピゾさんは語り、「娘の遺灰はフェイラで使うようなビニール袋に入れて口を縛っただけで渡された。それはショックだったよ。娘を亡くしただけでも辛いのに。遺灰をセメントや何かと同じように扱われた気持ちが分かるかい?」と続けた。ピゾ氏は火葬のために577レアルを支払ったが、骨壷が足りない事は知らされてなかったという。
 葬儀課によると、178レアルの骨壷は今年1月に在庫がなくなり、435レアルの骨壷も3月に尽きたが、新たな骨壷を納入する業者の選定は進んでおり、7月には販売が再開されるとした。
 葬儀課はさらに、骨壷の不足については、種々の書類を遺族に手渡す時に、口頭と文書で説明すると釈明した。同種の問題は2012年にも起きており、ネロ・ロドルフォ市議(民主運動党・PMDB)がサンパウロ市会計検査院に、葬儀課に関する公聴会を要求していた。