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今日のお言葉 「Japones da Federal」

インターネット上にあふれている、お遊びの合成写真の一つ。「海賊版ジャポネースを連行する連邦警察のジャポネース」の図

インターネット上にあふれている、お遊びの合成写真の一つ。「海賊版ジャポネースを連行する連邦警察のジャポネース」の図

意味=直訳すれば「連邦警察のジャポネース」だが、7日からは「堕ちた〃正義の味方〃」という皮肉な意味に変わった。

 「〃正義の味方〃が逮捕される!」――と7日からブラジルメディアがテレビから新聞まで大騒ぎに。「Japones da Federal」(連邦警察のジャポネース)こと石井ヒデノリ・ニュートン氏が7日、パラナ州クリチーバで捕まったからだ。
 ルーラの右腕ジョゼ・ジルセウ元官房長官、〃ルーラの親友〃ブンライ、マルセロ・オデブレヒト(最大手建築会社社長)ら錚々たる面々を逮捕するなど、ラヴァ・ジャット作戦の逮捕・連行部門の責任者として目立つ存在だった。
 日本移民のおかげで、もともと「日本人」=「真面目」というイメージが全伯的に浸透しているせいもあり、ペトロブラス疑惑の巨悪を捕まえる姿が繰り返しテレビで放送される中、〃正義の味方〃のイメージが幅広く定着していた。
 先のカーニバルでは彼のお面がバカ売れし、マルシーニャ(サンバ行進曲)まで作られ、CBNラジオの同コンテストでその曲が優勝するという〃快挙〃まで成し遂げた。いわば、「汚職撲滅のシンボル」のイメージが国民全体からもたれていた。
 石井氏は03年に連警のスクリー作戦により、パラグアイからの密輸を手助けした罪で逮捕された。4年2カ月21日間の半禁固刑の判決が出ていたが、控訴したので刑が確定せず、勤務を継続していた。今回は最高裁が刑を確定させたことで、自ら出頭した。
 ネット上では「Japones na Fedral(連邦刑務所のジャポネース)に変わった」「このジャポネースは本物じゃない。(パラグアイの密輸絡みだけに)ピラッタ(海賊版)だ」など数々のピアーダのネタにされている。
 G1サイト8日付電子版によれば、リオ州サンゴンサーロ市のコンダルお面工場では、石井氏のがサルネイ元首相、クーニャ下院議長、モーロ判事ら錚々たる面々を差し置いて今年最高の大ヒットを記録し、2万5千個も売れていたという。同工場のアルベルト・パリス社長は「政治的大混乱の中で数少ない良い人物像だっただけに、とても残念。結局、彼までコホプソン(賄賂)に沈むとは…」と語った。
 コロニアの某識者からも、「正直で真面目なはずの日本人も、彼が逮捕していた悪党の仲間だったか?―とJaponesの評価を引き下げる(?)のに役立っているようです。クワバラ、クワバラ。まったくブラジルは何を信用していいのか分りませんね」とのコメントが寄せられた。(深)