【リマ共同】歴史的な接戦となったペルー大統領選決選投票は9日も開票作業が続き、選挙管理当局が発表した中間集計(開票率99・99%)で、クチンスキ元首相(77)の得票率が50・11%、ケイコ・フジモリ氏(41)が49・89%となった。票差は約4万。得票率の差が劇的に変化することはなく、開票が進むにつれ、フジモリ氏の敗色が濃厚との見方が広がっている。
開票済みの中には疑問票として選管とは別の審査機関に送られ、精査中のものが数万票あるとみられる。このため選管当局が開票率を100%と発表しても、当選者がすぐに判明しない可能性もある。
反フジモリ色の強い地元紙は8日付の1面で「事実上の大統領」との見出しでクチンスキ氏の写真を掲載。「専門家によると、残票や疑問票を考慮しても現在の差は覆らない」と報じた。
別の新聞も、フジモリ氏の当選は厳しいとの専門家の見方を紹介。国家統計情報庁の元長官で経済学者のファリド・マトゥク氏は「(フジモリ氏による逆転勝利は)数学的には可能だが、統計学的には可能性は非常に小さい」と述べた。
在外票や地方票の集計は8日までにほぼ終了。残りの大半は、不備がある集計記録や疑問票の審査にかかっている。
疑問票などは全国の投票所から首都リマの選挙管理当局に送られるため集計に時間がかかるが、調査会社イプソス・ペルーのトレス社長は疑問票も「他の票と同じような配分になると考えられる」と指摘した。
タグ:ペルー