ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | クーニャ夫人がLJで被告に=夫の賄賂が贅沢品に姿変え=その額は100万ドル以上=ペトロブラスの事業での収賄で
夫人も被告となり、火の粉払いに追われるクーニャ議長(Lula Marques/Agência PT)
夫人も被告となり、火の粉払いに追われるクーニャ議長(Lula Marques/Agência PT)

クーニャ夫人がLJで被告に=夫の賄賂が贅沢品に姿変え=その額は100万ドル以上=ペトロブラスの事業での収賄で

 ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で、現職の政治家以外の裁判を管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が9日、連邦検察庁からの起訴を承認、エドゥアルド・クーニャ下院議長(停職中)の妻のクラウジア・クルス氏らが被告となった。クラウジア氏は、ペトロブラス(PB)を巡る汚職で得た賄賂の資金洗浄と100万ドル以上の資金の流れを贅沢品購入で隠蔽しようとした容疑を問われた。10日付伯字紙が報じている。

 起訴状によるとクラウジア被告は、PBの事業契約で得たクーニャ氏への賄賂の一部を、スイスにある、自身が所有するオフショア「ケペック」の秘密口座を通して受け取っていたという。
 ケペックの口座に振り込まれた金の99・7%は、クーニャ氏個人の私企業である「トリウンフSP」や「ネテルトン」「オリオンSP」の3社からのもので、その総額は127万5千ドルだ。
 さらに、08~15年にかけてケペック名義のクレジット・カード2枚で支払われた額は100万ドルを超える巨額なものだったという。しかもその用途は、高級ブランドの靴やバッグなど、一女性のあからさまな私用をうかがわせるものばかりだったという。ケペックの口座の持ち主はクラウジア氏以外には存在していない。
 モロ判事は起訴状の内容を受け入れた理由として、「夫婦の収入を遥かに超える巨額の入金がありながら、それが申告されておらず、クラウジア氏がわざと知らぬふりをし、入金先を確かめようとしなかったことが疑われる」と記している。
 連邦検察庁によると、クラウジア氏がクーニャ氏経由で受け取った賄賂の代表的なものには、PBが2011年にアフリカのベナンの海岸での油田開発事業に伴って結んだ巨額契約などが含まれているという。
 今回、クラウジア氏以外で被告となったのは、PB元国際部長のジョルジ・ルイス・ゼラーダ被告、石油企業のルシタニア・ペトロレアム社長のイダレシオ・デ・オリヴェイラ氏、ロビイストのジョアン・エンリケ氏の3人だ。PBからベニンの油田開発を担当するCBH社を経てルシアニアに渡った賄賂は、ジョアン・エンリケ被告のオフショアに流れた後、クーニャ氏の会社に振り込まれ、クラウジア氏の口座まで行き着くという手順だったという。
 また、クーニャ氏への議長停職処分など、現職閣僚や現職議員などに対する裁判の有無を判断した上、裁判での報告官を務める最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事は9日、クーニャ氏に対し、PBの石油探索船事業での500万ドルの収賄容疑について、5日以内に説明するよう求めた。また、同判事は、スイスの秘密口座に関する疑惑についても起訴内容を認め、裁判開始を認める判断も下した。残り10人の最高裁判事がこの判断を支持すれば、クーニャ氏も秘密口座絡みの容疑で被告となる。