リオ五輪主要会場の一つ、リオ市西部デオドーロ地区に建設中のスポーツ・コンプレックス(CED)建設に伴う8500万レアル相当の詐欺・横領の疑いで、連邦警察が7日、同会場の建設を請け負った企業連合(デオドーロ・コンプレックス・コンソーシアム、CCD)の事務所を強制捜索したと8日付エスタード紙が報じた。
建設大手のケイロス・ガルヴォン社とOAS社が運営するCCDの事務所が捜査対象となった。
CEDは、リオ五輪・パラリンピック会場の中では、バーハ地区のオリンピックパークに次ぐ競技エリアで、馬術や7人制ラグビー、モトクロスなど、五輪11種目、パラリンピック4種目の競技が行われる。
今回の捜査は、汚職対策省、国税庁、連邦検察庁(MPF)も参加して行われた。捜査の焦点は、建設現場から出る廃棄物の輸送や処理における不正を暴く事にある。
汚職対策省は、同件に関する書類の改ざんと過剰請求(水増し請求)の証拠は、同省の前身である国庫庁が昨年中旬に発見したとしている。
同省によると、リオ市北隣のドゥッケ・デ・カシーアス市の埋立地に運ばれた固形廃棄物の量が過剰に記載された書類が見つかったという。廃棄物の輸送量を記録した廃棄物目録と呼ばれる書類には実際の輸送量を上回る量が記載され、監査書類も偽造されていた。
「国庫庁は、CCDが運搬廃棄物量を水増しした事を確認した。CCDは監査書類を偽造し、実際には行われなかった廃棄物の処理と運送を偽装するために偽の仲介業者との契約書も作成しているが、廃棄物処理費用は支払われていない」とMPFは発表した。
廃棄物処理、輸送の費用は当初8千万レアルが見込まれていたが、4850万レも超過し、1億2850万レに膨れ上がっていた。
汚職対策省は、詐欺・横領総額を8500万レアルと見積もっている。
CCDは、費用が膨れ上がったのは廃棄物の運送量が予想を上回ったからで、金額の変動は、契約全体から見ればおおきなインパクトではないとの文書を発行し、不正行為を否定している。
リオ市役所は同件について、裁判所が差し止めを命じたため、廃棄物運搬費用の支払いは行っていないと釈明している。