日伯友好病院(天内ヴァルテル院長)は今月14日、手術室並びに術前控室の落成式をおこなった。総工費700万レアル(約2億1300万円)が投じられた設備工事には18カ月もかかったが、来週から稼動開始となる。最新技術が導入された手術室では影のできない照明器具が採用され、新たに3室完備されたことで計9室となった。これにより予約が停止されるほど混雑していた手術待ち状況の改善が期待される。
また、日本政府による草の根無償資金協力により得た補助金の一部55万1千レアルが充当され、日本電工のモニターが導入された。術前控室には、患者が手術前に休息できるようなゆったりとした空間が設けられ、マッサージチェアーが多数完備され、麻酔投与など術前準備時間の削減なども目的とされる。
落成式で中前隆博在聖総領事は、これまで同病院が当地での医療水準の向上に貢献してきたことを賞賛した上で、「リオ五輪で来伯する邦人観光客を受入れる選択肢の一つとなって欲しい」として期待を寄せた。
同病院は移民80周年を記念して1988年に設立され、30病床から始まった。現在は243病床を完備し、改革と規模拡大化を図ってきた。15年には、ONA(ブラジル優良病院認定協会)より3つ星評価を受け、優良な病院の一つとして知られている。
サンパウロ州内で同認定を得ている20の私立病院のなかでも、救急治療件数2位、診察件数・分娩件数5位、手術件数9位となっており、今回の投資でさらなる対応能力の向上が期待される。
天内院長は、「地域住民に根ざして、今後も医療保健分野においてブラジル人の福祉増進のために貢献していきたい」と今後の抱負を語った。落成式には、同病院を運営するサンパウロ援護協会の菊地義治会長ら関係者のほか、羽藤譲二サンパウロ州議員、山田康夫県連会長も出席して祝福した。
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