リオ五輪まで50日を切ったが、国外から参加する選手たちにとって、今回のブラジル行きはちょっとした勇気がいるものとなっている。
その原因となっているのがジカ熱だ。ジカウイルスは長時間、患者の血液や唾液、精子の中で生きており、性交渉やキスでもジカ熱に感染する可能性があることが明らかになってきている。妊婦がジカ熱に感染したり、患者との性行為で妊娠したりした場合は、生まれて来る赤ちゃんに小頭症などの問題が起きる可能性も出てくる。これらのニュースは既に、世界中に報じられている。
それが理由で今回の五輪の参加をためらっている選手の中に、バスケットボールの名選手、スペインのパウ・ガソルがいる。ガソルはアメリカNBAの名門、シカゴ・ブルスのスター選手で、2メートル17センチの長身を活かしたプレーでオールスターにも6度選ばれている。オリンピックには2004年のアテネ大会から参加し続けており、08年の北京、12年のロンドン大会ではスペインの銀メダルにも貢献している。
そんなガソルが、悲願の金メダルがかかるリオ五輪行きを渋っている。その理由は、35歳という年齢のせいではなく、ジカ熱への懸念からだという。
ガソルはスペインの「エル・パイス」紙のインタビューで、「男性が罹患すると、ジカウイルスは精子からでも伝染するんだ」と語り、「いざ出場すると決めたら、そのときは精子を凍らせて行くよ」と答えている。
ガソルの両親は医療関係者で、本人も幼い頃から医療や医学について教えられて育った。現在はまだ独身だ。
この「精子凍結」を考えているのはガソルだけではない。ロンドン五輪の陸上走り幅飛びの金メダリスト、グレッグ・ラザフォード(イギリス)も既に、2連覇を狙うリオ大会には家族は同伴せず、出立前に精子凍結を行う意向を表明済みだ。(16日付スポーツTVより)
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