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福音派の教会崩れ死傷者=中止された改築工事原因か

 15日午後3時頃、大サンパウロ市圏ジアデマ市の教会の天井が崩れ、集会に来ていた人達の中から死傷者が出たと16日付伯字紙やサイトが報じた。
 事故が起きたのはジャカランダス通りにある、創立約60年のアッセンブレイア・デ・デウス教会で、信者や子供10~15人が集会を持っている最中、道路に面した部分の天井が崩れ、2、3階部分がほぼ全壊した。
 同教会は3階建て(1階は車庫、車庫脇に階段があり、2階、3階部分を集会用に使用)で、地面を掘り下げ、車庫を広げる工事を行っていた。この工事は市役所の許可を得ておらず、13日に中止命令が出たが、教会側は2週間前から工事を中止していた。崩壊したのは車庫上に建っていた部分で、コンクリートの梁が斜めに突き刺さった形となった車庫のスペースは瓦礫で埋まった。
 瓦礫の中に生き埋めになった人の救出は現場に急行した70人の消防士が担当し、同日午後、軽傷の子供3人(2、3、5歳)を救出。夜までに救出された4歳の子供と男性1人は市内の救急病院に運ばれた。
 更なる崩壊の恐れがあるため、瓦礫撤去が困難を極める中、消防士達は16日未明にも重傷の男性2人を救出。だが、最後まで連絡が取れなかったヴァンダ・マリア・マルチンスさん(54)は、16日昼頃、遺体となって発見された。
 同種の事故はサンパウロ市カンブシ区のレナセール教会崩壊事故(09年、9人死亡、100人以上が負傷)が記憶に新しいが、サンパウロ州地裁は今年5月、信者からの月定献金の2割を犠牲者の1人に賠償金として払うよう命じ、6月に遺族にも通達した。